LINE Bot Awards に出品した Bot の紹介ページです。
スライド
- Slideshare: https://www.slideshare.net/YuichiOMATA/pta-bot
スライドの流れをベースに、実際に Line Bot Awards に出品した Bot の機能と使い方を紹介していきます。
友達登録
以下の QR コードから登録をお願いします!
緑ちゃんとは
学校、PTA等の任意の団体の活動をサポートするBotです
注)以下の内容は架空の話であり、実在の人物・団体とは全く関係ありませんの
緑ちゃんが生まれた背景(PTA)
- 小中学校には PTA というものがある
- PTA は作業が多い
- PTA は連絡事項が多い
- IT化?何それ美味しいの?
- 連絡つかね…個人情報保護ぉぉぁああああ!!
- 最近PTAが大変(不要)だというニュースも多いよね!?
- 無くして子供の楽しみ減らすよりカイゼンして楽しさうp
- 浮いた時間でお子さと楽しく過ごして下さい!!
緑ちゃんが生まれた背景(School)
- 小学校は行事が多い
- 連絡は基本、紙
- 小学校はお手紙/プリントが多い
- あっという間に家の中がプリントでいっぱいになる
- 学童終わるの早い
- 夏休みはお弁当作ったりとか
- ママさん達、超絶忙しぃぃいいいっ!!!
緑ちゃんが生まれた背景(Misc)
- 野球、サッカーなど、地元や学校密着のスポーツ団体なんかもある
- その他習い事
- 自治会、町内会も含めた地域コミュニティ
- どいつもこいつも連絡連絡ぅう!!…繋がらね..orz
- 今日行事あったの忘れてたぁぁあああ!!!!
- 「ざわざわ..あの人サイテーやね…」
緑ちゃんが生まれた背景(common)
- スマホ?持ってません
- 携帯電話、メール、教えたくないです
- 家電なら教えます(かけても出ませんが..)
- 個人情報保護ぉぉお(ry、面倒くさい
- IT化?何それ(ry
- 会議でノートPC使ってるの俺だケェええ!??
真面目に書くと長くなるけど
#PTA や学校向けのユーティリティー bot
小学校に入ると、一般的には PTA という組織に所属し、子供が地域主体のスポーツクラブに参加するなどして、 学校、PTA、学童クラブ、スポーツ団体等、学校に密接に関連した複数の組織に所属することは一般的です。
それぞれの団体ごとに多くのイベントがあり、名簿や連絡網を整備し、必要に応じてイベントの準備、参加、それに 必要な各種連絡を行うことになります。
昨今では、共働きや長時間労働が当たり前になってきており、主に連絡を受ける保護者側もタイムリーな情報の受信が 困難な時がありますし、連絡をする管理側にとっては、不在時の再送も含めて作業負荷はかなりのものです。
また、昨今の社会情勢や意識の変化に伴い、個人情報保護の観点から、メールアドレス、携帯番号、LINE ID などを、 特別に親しくない組織の関係者に公開することを拒む傾向があるため、複数の連絡手段を駆使し、時にはプリントの作成 直接の面会を強制されるなど、その連絡は時に困難を極め、連管理者側にとっても大きな悩みのタネになっています。
更に意識の面では、元々多忙が故に保育園にお金を払ってお客様のような意識で園や地域や他の保護者達と接していた保護者 にとっては、物理的な拘束時間の増加に加えて、自発的なコミュニティへの参加意識が求められる上に、日々大量に配布される プリント類、必要な各種連絡、そして本来もっとも重要な子供の世話などで心身ともに忙殺され疲弊しているというのが、現代 の日本の児童生徒の保護者の置かれた現状ではないでしょうか?
このような社会問題の解決の助けとなるように当 Bot の作成を決意しました。
要するに楽してしかも WIn-Win
- 管理運営側も、一般参加者も楽になって助かる!
- 個人情報皆に教えなくてもいいよ
- PC スマホ持ってなくてもおk (そんな装備で大丈夫か?
- 大丈夫履いてます(ry
- けものはいても、のけものはいないよ!!
「神ってる!?」
すみませんふざけ過ぎました
物凄く真面目に言うと、このような社会問題の解決の助けとなるように当 Bot の作成を決意しました
私やこの Bot が問題を解決するのではありません。あくまで助けるだけです。 「人は人を助けることはできない、自分で助かるんだよ(ry」
緑ちゃんの機能
必要に迫られて作りました。だからあまり面白いとか、笑いが取れるとか、そーいうのではないです、済みません。。。。
フレンド数?何それ?美味し(ry
緑ちゃんの機能スキル
- 同報通信
- イベント等の情報問い合わせ
- 児童の顔写真から名前知ることができる!!!
- イベント登録管理も LINE から!!!!
ビーコンによる安心見守り機能- すっごーい!! いろんな事ができるフレンズなんだね。たーのしー!
緑ちゃんの技術力
「緑ちゃんの技術力は世界一ぃぃいいっ!」では全くなく、技術力はあまり高くないです、APIプロバイダーの皆様の高度な技術をお借りしています。
利用している API/サービス は
- Line Messaging API
- Microsoft
- Azure DocumentDB (各種データ)
- Cognitive Service Face API (顔画像認識)
- IBM Watson (自然言語処理/会話エンジン)
- Twilio Messaging API(SMS/音声通話/Text to Speech)
サービス自体は Node.js(Express)フレームワークを用いたトラディショナルな構成で、そこから各種 API を呼びだしています。
Microsoft Azure 様
本当にありがとうございます!!
IBM Bluemix Watson 様
本当にありがとうございます!!
Twilio 様
本当にありがとうございます!!
機能詳細(同報送信)
LINE 画面からテキスト入力でメッセージを送信できます。
送信先のターゲット指定には、組織名(PTA本部、PTA校外委員会などの委員会名、1年1組, 3年生、などの学級や学年、スポーツクラブなどの団体名)を利用できます。
指定された組織や団体に対して、事前に登録された個人へ、それぞれの送信メディア(Email, SMS, Line, 音声通話)の違いを意識することなく一斉送信が可能です。
また、SMS や 音声通話など、いわゆるガラケーや固定電話のユーザー向けの送信は不在などの通知の失敗の可能性があるため、通知の成功失敗を検知し、必要なだけ(設定された回数の)再送も自動で行います。
Line 版のインターフェースでは多くのことはできませんが、PC/Web 版のインターフェースでは、この送信履歴管理や、再送管理なども行えます。
送信を指示するメッセージの例
送信 PTA本部 明日は運営会議です
メッセージを送信 1年1組 明日は 12時よりクラス懇親会があります。
審査用に送信を確認されたい場合は、LINE ID や SMS, Email アドレスなどを教えて頂ければ登録しますのでお知らせください。
本来は PC などの Web ブラウザーから、管理者的な一部の人間が必要な送信先にメッセージを送信するだけのものを想定していましたが、Line からの送信機能を一般会員向けに解放することにより、大きく利便性が増すのではないかと思います。
(PC の操作に明るくない PTA 会員の人は多いですし、外出先や電車の中などから、隙間時間を利用してすぐに同報送信を行うことができます)
但しこれは性善説に基づくものであり、スパム対策やセキュリティ上の配慮は必要となるかもしれません。
PC版送信管理画面
LINE版メッセージ送信
機能詳細(イベント問い合わせ)
自然言語処理(NLP)を行う会話エンジンを採用しているため、厳密に規定されたフォーマットに従わない自然な会話体に近いメッセージで、必要な問い合わせを行うことができます。
イベント問い合わせメッセージの例
明日の学校行事は?
3/18 日のPTA行事を教えて
今日のサッカー
機能詳細(顔認識!!)
よくありますよね、顔は知ってるんだけどクラスと名前が分からないって、
「あるあるぅ〜ー」
そんな時にお役に立ちます!
Bot のバックエンド DB に登録されている写真をベースに学習した顔認識エンジンのモデルを作成しています。
実際の動作確認には以下の画像をご利用できます。また、同じ人物であれば、別の写真でもテストいただけます。
※ 顔識別のテスト用として、提供元の利用規約に沿ってご利用ください。
山田花子(ゆうき)(仮名)ちゃん
- https://www.pakutaso.com/20161042279post-9173.html
- https://www.pakutaso.com/20150807229post-5900.html
佐藤幸治郎(賢太郎)(仮名)
- http://www.ashinari.com/2012/04/16-360953.php?category=391
- http://www.ashinari.com/2012/01/10-355822.php?category=391
機能詳細(イベント等管理)
派手な図とか写真とか(ry
自然言語処理(NLP)使(ry
管理機能なのでこれを公開すると問題があるかも、ととりあえず公開していません。
IBM Bluemix Watson 様本当にありがとうございます!
ToDos
この Line Bot Awards 以降もこの Bot の機能は追加で実装し、4 月からの新学期に向けて本運用が可能な状態として全国の小中学校等で使って頂きたいと考えています。
ご意見やお問い合わせは、とりあえずは当ブログへのコメントを頂ければと思います。
現状で実装予定の機能のいくつかをここに挙げておきたいと思います。
- スタンプ連携
- 現在、イベント情報の照会やその他の機能を利用する場合には、自然言語によるテキスト/文章メッセージを入力して送信する必要があります。
- 状況によってはこれは煩雑なため、特定のスタンプを送信するだけ(1-2タップ)で、各種機能を利用できるようにする予定です。
- また、例えば PTA やスポーツ団体などのコンテキストに特化した一連のコマンド/機能には一定のパターンがあり標準化やテンプレート化が可能かもしれません。その場合にはそのようなテンプレート化したスタンプの構成を公開し、それに基づいた自治体や学校や各種団体などの独自のキャラクターやデザインを活用したスタンプの作成を促します。また、そのスタンプからこのボットの機能を利用できるようにします。
- それによって、必ずしも IT に強くない保護者や子供達であっても、イラストが描ける人はスタンプを描いてもらい、そのようなスキルがなくてもキャラクターのアイデアを出すなど、コミュニティ全体の活性化や連携感を高めることが可能となるかもしれません。
- Google カレンダー連携
- 現在はイベント情報の管理は専用のデータベースを利用しています。しかしそれでは管理上の負担が増える可能性があり、すでに持っているかもしれない学校や団体の管理しているカレンダー情報との二重管理となる可能性もあります。
- 現在では私の娘の通う小学校の学校行事の情報は、自治体(教育委員会?)の提供する CMS の中のカレンダーで公開、提供されています。これはブラウザーでそのページを表示、閲覧することはできても、保護者個人個人で利用している各種のスケジュール管理ソフトウェアや Google カレンダー/iPhone や Android のカレンダー機能との連携が困難で、絵に描いた餅のようなものです。
- そういった問題を避けるために、現在政府省庁は、データや情報をなるだけ再利用可能な形でオープンデータとして公開し、利用してもらおうとしています。
- しかし、行政や学校などの管理側でのそのような IT の対応は現実的には中々難しいため、とりあえず私個人で自治体謹製の CMS 版カレンダーから行事情報を抜き出し、Google カレンダーに登録するという機能を Google Apps Script で実装済みです。
- これを広げて、より広い自治体や学校などのイベントデータを登録、参照できるようなフレームワークを作成、公開し、この Bot から利用できるようにする予定です。
- プリント共有機能
- 紙のプリントを写真で撮ってボットにタイトルやタグをつけて送付することで登録する
- 他の保護者はタイトルやタグでプリントを検索し、いつでも参照することができる
- 花粉、PM2.5, インフルエンザ、感染性胃腸炎の散布、流行情報などの参照
- 例: ボットに 花粉情報 などと呟くことで、その日の花粉の散布情報を画像や数値などで返す
- 気象災害、地震、防犯情報などの速報性の高い情報や、自治体などからの広報情報のうち、共有価値の高いものや、ユーザーが自ら通知設定を行った情報を push 通知する。
- その他地域のイベント情報や、生活情報、子育て情報など、あらゆるニュースソースからの情報の取得窓口とすることもできる。その場合には、配信される情報が増えすぎないように考慮せねばならず、また、受信者の関心の高いものに限定したいということもある。その問題に対しては、以下のような方法で対応できると考えている。
- 受信者のプレファレンス(好み)の事前登録
- ニュースソースによっては広いジャンルの情報を配信するため、あるソースの情報を一括で配信登録すると、受信者にとっては興味のない情報が多く配信され S/N比が悪くなりサービスの利用意識を下げることになりかねない。そこで、ソースによる分類に頼らずに、ニュース記事の一つ一つの内容に対して AI によるタクソノミー(自動分類)とタグ付けを行い、そのタグとソースによる情報のフィルタリングを可能とする
- その他地域のイベント情報や、生活情報、子育て情報など、あらゆるニュースソースからの情報の取得窓口とすることもできる。その場合には、配信される情報が増えすぎないように考慮せねばならず、また、受信者の関心の高いものに限定したいということもある。その問題に対しては、以下のような方法で対応できると考えている。
- 日本語の読み書きが苦手な保護者向けの多言語対応。(但し 翻訳 API を使った人手を介さない自動的な翻訳のため、翻訳品質は懸念材料)
- ビーコンを使った見守りネットワーク構想との連携機能
- この Line Bot Awards や、チャットボットとは全く別の案件として、「ビーコンを使ったみまもりネットワーク」構想の実現を計画しています。
- これにはスマートフォン向けにビーコンの受信と中継機能を持ったアプリケーション(や SDK/Library)の配布が必要なため、中々実現が困難なのですが、そのようなネットワークが実現した場合には、この PTA ボットから、自分の子供の直近の大凡の位置が検索できるようになります。
- Serverless 化
- 運用コスト的なメリットが出てくるかどうか見極め中
- 管理対象のサーバーインスタンス自体は無くなっても、API 利用料金が新たに発生するため、既存のサーバーインスタンスの稼働自体に料金がかからない運用形態と比較して金銭的なコスト面で不利となる可能性がある。
- Siri
- Text sanitization, confirmation
課題
SMS や音声通話機能によって、スマホを持たない保護者にも等しく情報を送信することができるようになりました。これは学校のような公的な団体にとっては非常に重要なことだと思います。
しかし、Email や Line によるメッセージの送信と異なり、上記の通信手段を使った情報の送信にはコストがかかります。
SMS 1 件送信あたり 8 円。SMS の送信先が増えると無視できない金額となってしまいます。
まとめ
この Bot のように ICT 技術を使って社会の様々な問題を解決していく、そんな試みや活動を「シビックテック/Civic Tech」(or シビックハック/Civic Hack)といいます。
こういった内容以外にも、防災やオープンデータの活用(NHK 震災ビッグデータ観てください)など、様々なジャンルで多くの方々が活動しています。
エンジニアだけでなく、行政の方、デザイナーさん、アイデアパーソンなど誰でも参加、活躍可能です。
皆さんも是非、シビックテックを盛り上げていきましょう!!!
Pingback: 防災ボット「防災ちゃん」紹介ページ | もぐログ